今日もなんて可愛いんだこの子は!!
そして、パワー力をあたしに伝授してくれ。
その可愛い顔でなんて強靭なパワーなんだろうか!!
「やぁ!女神、久しぶりだね。」
「その呼び方虫酸が走るので止めて頂けませんか?」
上條さん、今日も左手に鏡を持っている。
「む、虫酸!?虫酸とは何だい?」
そして、馬鹿さ加減がちっとも変わってないようで。
放課後、随分と外が騒がしいと思ったんだ。
「上條さん、鏡壊れますよー。」
あ、この間居た眼鏡の人だ。
クリスマスパーティーの時にちょっと話した。
えっと、名前何だっけか?
「噂のひよこちゃん?」
後ろから危機を察知してすぐに回避。
ナル君、君に危険が迫っているようだ。
あたしが守らねばならないぞ!
ターンを二回繰り出してすぐに鞄を振り上げた。
「な、何!?」
焦げ茶色の髪の男が握手を求めてきていた。
「何だ、この手は!?貴様、新手の詐欺師だな!!
な、なんたる白昼堂々と日本の未来が不安だわ・・・」
「へぇー、面白いこと言うのは本当らしいね。」
な、何を誤魔化そうとしているんだ!!
「ぶ、無礼者っ!!」
あたしは騙されんからな。
「じゃあ、お近づきの証として」
手が伸びてくるのを察知して回避をしようとしたら、
ナル君がそれはもう機敏にシュタッと動いた。
「う゛・・・・・」
鳩尾に拳をぶつけたナル君がしてやったりの顔で笑った。
「あの、彼は大丈夫なのだろうか?」
その後、彼はしばらく死んだように動かなかった。
それを放置してナル君に腕を引かれていつもの定位置
でそっと観察してみた。
「自業自得なんじゃないかな?」
か、馨君のブラックスマイルキタ━(゚∀゚)━!
このにっこりとした微笑みが全てを語っている!?
とにかく、馨君がすこぶるブラックなオーラ出してる。
あの人、すごいことしてくれちゃったな!!

