よく朝からそんな体力があるもんだなと思いながら、
横目で佐藤君を見ると何やらサッカーのことを話している
らしく熱く語っている。
※佐藤君の話を全く聞いてない日和です。
「委員長、おはよー。」
どこのクラスか分からない生徒にまで委員長と
言われる次第でそれがもう定着してしまっている。
先輩からもこの調子で声を掛けられる。
「立花ちゃーん、おはよ!!」
知らない人に声を掛けられても嫌じゃなくなってきた。
これはあたしが成長している証ね。
「立花って入学当初より雰囲気柔らかくなったよな。」
「そうかいね?」
「前はため息ばっかで大丈夫かって思ってたけど、
今はそうでもなさそうだし。」
佐藤君にはそう見えるのか。
1年を通して君には意外と苦労を掛けたね。
「だといいけども。」
自分じゃ分からないものなのだ。
「あっ!ヒヨリンじゃねーか。
*゚・.+´あけおめ*ことよろ`+.・*´゚」
不良メンバーズに会うと大抵これで声を掛けられる。
挨拶を省略するとは随分と面倒臭がりが多いのね!
そして、あたしが挨拶する間もなく走り去っていく。
「こ、これ!!廊下は走っちゃいけません。」
「わりぃー急いでんだ。」
「そんなことはどうだっていいのです。そこの
ポスターを書いた人に謝るんだ!!」
廊下を走るなってポスター描いたあたしに
謝まりたまえよ。
「マジで勘弁してくれよ。」
「そ、そんなことを言っても無駄ですからね。」
「今度、気をつけるから見逃してくれよ。」
「それは何度目ですか!?」
朝から騒がしい連中が居たりとてんてこ舞いに
なりながらも初日の学校は無事に終わり早く帰れた。
それから、3日後のことである。
事件は既に起こっていたらしいが、
あたしはちっとも気付くことが出来なかった。