ユウヤの足が止まって顔面蒼白になりながら、
目の前を恐る恐る見つめると安堵からため息が溢れた。
「日和ちゃん、新年明けましておめでとう。」
「お、おめでとうございます!!」
「はい、これお年玉ね。」
「そ、そんな、申し訳ないです。」
夏休みの時にやっちゃんさんが運転してた車の助手席の
窓から顔を出したのはターヤンさんでその後ろの運転席に
座ってるやっちゃんさんにもペコリとお辞儀をして新年の
ご挨拶をすることが出来た。
可愛いうさぎ柄のぽち袋を手にしたターヤンさんとは似合わず、
うさぎさんと目が合った。
『日和ちゃん、騙されちゃ駄目だ!』
「う、うさぎさん!!」
『このおっちゃんたちあたしを売ろうとしてる!』
「そ、そんなまさか!!」
※妄想です。多少の時間を温かい目で見てやって下さい。
『本当さ、あたしは人参を食べてただけなんだよ。』
「人参は美味しかったのですか?」
『美味しかったさ、美味しかったせいか気付かなかったんだよ。』
「攫われてこのようなところに!?」
な、なんて、不憫なうさぎさんなんだろうか!!
あたしがどうにか隙を見て逃がしてやりますからね。
『手を取り合って、逃げましょう何処へ!!』
「何してんだテメェは!!」
バシッとまたもや叩かれて後ろを振り返った。
「う、うさぎさんの心の声を聞いたまでよ!」
その場に居る人全員からの白けた視線に背筋が凍りついた。
「ひ、日和ちゃん、貰ってくれるよね?」
「あは、はいっ!頂戴致します。必ず、この御恩は
将来倍になって返しますからに。」
「いーから、いーから」
「良かないですよ!うさぎさんに誓って将来出世
してやりますからね!」
うさぎさんのぽち袋をシュルダー鞄に大事に仕舞わせて貰った。
「将来出世って日和ちゃん本当になりそうだな。」
ガラガラと後部座席のドアをユウヤが開けると、
すぐにちぃ君と京君が早急に乗り込んで行った。
その後を追うかのように次に伊織君とユウヤと慶詩、
ナル君が入ったことによって腕を引っ張られて次に
乗り込むと馨君が最後に乗って扉を閉めた。

