「日和、あんたって子は・・・」

「な、何でしょうか?」

新学期が始まってすぐの休日のこと。

サユが家に上がって憤怒の表情を浮かべる。

何に怒っているのか心当たりがない。

今日は、念願の藍ちゃんと3人でショッピングday

ということでサユが楽しみにしていた日でもある。

「また、そんなダサい服着て!!」

バンっとテーブルを叩き上げるサユに

兄ちゃんと遊びに来てた真君がビビった。

「サユみたいにスタイルいいわけじゃないし・・・」

こ、こっちの方が機敏に動けるじゃないか。

「駄目よ!!あんた少しは女の子らしく

お洒落しろってのよ。」

そんな、さーちゃんお母ちゃんみたいだよ。

「大体、あんたのどこがスタイル良くないってのよ。」

どこって全体的に平均的だと思ってるんだけども。

背が小さいこと以外は至って普通だと思ってますよ。

「さ、さーちゃん、そんな怒らなくても・・・」

「透真さんは黙ってて!」

兄ちゃんがゴクリと息を呑んだ。

「さーちゃん、今日どこかお出かけでもするのか?」

「お兄ちゃんも黙ってて!」

誰もサユの勢いには逆らえないのであった。

「ひっいいい」

「ほら、こっち来なさい!やり直しよ!!

認めないわよ、そんな格好で出かけるなんて

言語道断1から直してやるわ。」

さ、サユに火が付いた・・・・!!

リビングから出てサユに引きずられながら、

階段を上り自室に入るとクローゼットを

漁り始める我が親友を横目にベットに座った。

暖房を掛けてこれのどこが駄目なんだろうと

自分が選んだパーカーにジーンズをチラッと見た。

「あんた、少しは女の子らしくなりなさいよ!」

「いや、サユの方が男前だよね。」

ギロっと睨まれて小さくなるあたしに、

サユがクローゼットからショートパンツを取り出す。

スカートを選ばないのはあたしがあまりスカート

を穿かないのを知っているからだ。