天使のキセキ【短編】

☆☆☆


今日も天使たちは
薄く透き通った
ガラスの玉を
大切に大切に
磨いていました


新米天使は
今では立派な
先輩天使となり
少しは色んな事を
学びました


けれど
彼女に訪れた
あの夜のキセキを
天使は知りません


新米だった天使が言った


『止めて…』


という一言が起こしたキセキを知るのは、ずっとずっと後の事です


だから
今日も天使は呟きます


『どうか、キセキをー…』






『天使のキセキ』