「あの…私から、届けてもらいたいものがあります。少しだけ、お時間をいただけませんか」


彼女はぎゅっと胸元に翡翠のペンダントを握りしめ、私を見つめた。

ジェイドが誰に届けものをしたいのかは、その目をみればすぐにわかった。


…エルガ。

人と人、想いと想いは、こうやって繋がっていくのね。


私は何故だかまた涙が出そうになって、必死に堪えながら、微笑んだ。


「…わかりました」


想いの繋がりが、広がっていく。

大切な、大切なひとへ向かって。