~夜行の過去~ 「夜光って幾つ?」 寺によく遊びに来る女の子がいた。 その子はいつも笑っていた。 「秘密だ」 外見からは猫だけど、どうしてか 言葉が喋れた。 このことはこの子しか知らない。 はずだ。 「夜光って好きな人いる?」 「それも秘密だ」 「夜光ってー...」 「お前は少し黙ってろっ!」 大声で叫んだら、突然泣き出した。 その子の名前は真弥(まや)。 それぐらいしか知らなかった。