ふいに後ろから物音がした。 ハッとして、顔一面にこぼれた涙を袖で拭き取る。 「…あ。」 後ろには、あきらかに丁度今下校だという男がたっていた。 眼鏡をかけ、程よい長さの茶髪に大きな眼。 かなりの童顔である彼は―――同じ学校の制服を着ていた。 「いや、あ、えーと、見るつもりはなかったというか…」 「…っっっっっっっっ」 大量の「っ」が口から零れる私を心配そうに見つめる彼。 「いっやあああああ!!」 気がついたら全速力で逃げていた。