「何があった?」

思いもかけない優しい声に、一度止っていた涙腺が再び崩壊した。

唇を噛み締めて嗚咽が漏れるのを堪えるが、肩が震えるのはとめることが出来ない。

頭の上に乗せられた手がゆっくりゆっくり、私の髪の毛をなぞる。

私が落ち着くまで、何度も何度も。

「スサノオ……」

やっと声を発することが出来るようになったが、次に続く言葉が出てこない。

「お主、見てしまったのか?」

切なさの滲んだ声が上から降ってきた。

思わず顔を上げてしまうと、悲しげに目を細めたスサノオの顔が目に入った。

「まさか、あそこまで辿り着いてしまうとは思ってなかった。お主の力を見誤っていたかもしれんな。すまない……」

スサノオの手が伸びて、私の頬に流れる涙を拭いながらそんな言葉を紡いだ。

「どう……して……」

やっぱり言葉はそこで止ってしまう。