白鳥ほどの大きさだった白い鳥が次の瞬間にはみるみる縮んで、今は鳩ほどの大きさになり、ハルカの肩に止まった。

どんな大きさになっても変わらないのは、その真っ赤に燃えるような深紅の瞳と、本当に炎を宿しているかのように揺らめく尻尾の先だけ。

『これぐらいお安い御用だよ』

脳に直接響くようなかわいらしい声にハルカはにっこりと微笑むと、その鳥の喉元を優しく撫でてやる。

「でも、本当にありがとう」

白い鳥はその瞳を嬉しそうに細めると嘴をハルカの頬に摺り寄せる。

「おい、そんな悠長なことをしている時間はないぞ」

一人と一羽の間に流れる穏やかな時間を引き裂くように、鋭く冷たい声が降りかかる。

ハルカが恐る恐る見上げると、そこにはコレでもかというほど冷淡な眼差しを浮かべた少年の顔があった。