それだけ言うと、ホムラはドアを完全に閉めてしまった。

「何なんだ?」

ホムラの言動に疑問はあったが、明日になればわかるだろう。

仕方がないので、部屋に戻り今度は陰陽道についての文献を読み漁った。

次の日になって、再びホムラの部屋を訪ねると昨日のように門前払いを食らうことはなくすんなりと部屋の中へと通してくれた。

「で、聞きたいことって何?」

とくにいつもと変わったところはなさそうで、普段どおりの飄々とした感じのホムラはソファの上に座りながらアイスを食べていた。

「あぁ。ホムラがいた時代ってどんな生活を送っていたのかと思ってさ」

「どんなって言われてもなー。ボクはほとんどアキと一緒だったから普通の人たちの暮らしって言うのは知らないな」

「ん? ということは、アキってヤツは普通の人ではなかったのか?」

「アキは、カムナキっていう選ばれた人間の一人だったんだよ。いずれは、あの国を背負って立つって思われてたんだ」