「ホムラ、ここ前に来たところと……」

そこで初めて違和感に気が付いた。

辺りを見回す。

さっき見たときよりももっと近くを。

「いない……」

やっぱり気のせいではなかった。私の周りには誰もいない。

「えぇーーーー!」

どうしよう、私二人とはぐれちゃったみたい! 

一度来たことがあるからといって、今目の前に広がる風景は全く見覚えのないところだ。

いくら見回してみても私以外誰もいないのに変わりない。

「ホントにどうしよう……」

途方にくれるというのはこういうことを言うんだろうなと、妙に冷静に考えている私もいる。

とにかく、あの小屋に行ってみよう。

人がいるとしたらあそこだけだもの。