東京に着いた次の日から、早速白虎の捜索に取り掛かった。

しかし、実際の捜索はそれほど簡単なものではなかった。

東京についてから、俺にもその気配は感じられていた。

だけど、ただでさえ不慣れな土地だというのに、どうやらソイツはこの都内を絶え間なく移動しているようだった。

しかも、ある程度精神を集中させないと感じられないほどの弱い気なので、油断するとすぐにその気配を見失ってしまう。

それに、東京中を動き回っているせいか、その気配があちこちにありすぎて、正確な位置がいまいち把握できない。

さすがにずっと精神集中しておくことなどできないので、必然的に休み休みになってしまうのは仕方がないことだ。

これは、気配を探りながら行くよりもある程度の目星をつけて行動したほうがいいかもしれない。

横を歩く紗綾に顔を向けるが、つばの広い帽子をかぶっているためにその表情は見えない。

「紗綾、大丈夫?」

「うん」