フェイク

こんにちは、と声を掛け、席に着く。


「あぁ、理緒さん」



翼さんは私の姿を認めると、表情を緩めた。


サングラスさえ外してしまえば、今日の格好はまあまあ普通になる。


翼さんはそれを見て安心したのかもしれない。



「あの、なんか、またお待たせしてしまったみたいで……」



一応、時間に間に合っているとはいえ、翼さんを紹介された日も、確か私が一番最後に来たのだった。



「いえ、俺が早かっただけですよ」



気にしないでください

という感じで、翼さんは笑ってみせた。