「……あ、俺スマホとかパソコンとか得意だから、もし買い換えてからわかんない事があったら教えますよ」


そう言う翼さんの笑顔がひきつって見えるのは、たぶん気のせいなんかじゃない。


「ありがとうございます。

でも本当に私、興味が無い事に関しては異様に物覚えが悪くて。

ご迷惑になると思いますから、なるべく1人で頑張ります」



失礼な言い方にならないよう、細心の注意を払ってそう答えると

私たちの一角が、更に厚い「壁と天井」に覆われたような気がした。