フェイク

「大丈夫?

理緒って興味無い話、すぐ忘れちゃうからなぁ」


そう言いながらも、亜也乃の声のトーンはいつもの感じに戻りつつあった。



「大丈夫だよ。

来週の日曜日でしょ?」


「普通の格好で来てね?」


「はーい」


「普通って、理緒にとっての普通じゃなくて世間一般の普通の事だからね」


「じゃあ私、普通の服、1枚も持ってない」