フェイク

気まずい沈黙が訪れた。


腰に回された翼さんの手の感触に、ほんの少し、違和感を覚えた。



間が持たなくなって

「翼さん、今日は本当にありがとうございました。

プレゼントもらって、レストランまで予約してくれて」

と、努めて明るい口調で切り出した。


翼さんの方に体を振り向け、腰に回された手からさりげなく逃れながら。


「いえ、どういたしまして」


翼さんは、もう一度私の腰に手を回そうとはしなかった。