フェイク

ケーキも食べ終えてレストランを出てから、近くの海辺を少し歩いた。



すっかり暗くなっている。


真っ黒な海を背景に、船のライトや信号灯、陸の道に立った街灯が、静かに光を放っていた。


波のささやきが聞こえる。


私たちの他に、人の姿は無い。



「足元、気を付けて」


そう言って翼さんは、軽くさりげなく、私の腰の辺りに手を回した。