フェイク

「この前買った服ですよね、それ」



電車に乗ってから、翼さんが私のワンピースに目を留めて言った。


さすが、覚えててくれたんだ。


「似合ってますよ。

理緒さん、脚がきれいだから短いワンピースとかスカートとか、本当に似合いますね」


「そんな……ありがとうございます」


翼さんは、いとおしいものを見るように目を細めて優しく微笑んだ。



この笑顔を見たかったのだ。



毎日毎日、疲れていても眠くても、入念に脚を鍛え上げ磨き上げてきた事が思い出され

私は少し、泣きたいような気分になった。