帰り支度をして、靴箱まで来てみれば
これでもか!ってくらいの土砂降りの雨。
「…わー、土砂降り……」
今日は迎え無いんだよね…
「はぁ、どうしよ」
傘も無いし。
「………」
黒い雲で覆われた空。
太陽が隠されて、泣いているんだ。
「………」
一歩、また一歩、土砂降りの雨の中へ進んで行く、私の足。
私は、恋になんて落ちてない。
泣くなんて、しない。
勘違いも、してない。
迷惑なんてかけてない。
だから、平気だもん。
「…っく、……ふぇ、」
土砂降りの雨が、降ってるの。
全部、全部、雨なの。
早く、帰ろう。
帰らなきゃ。
風邪引いちゃう。
パパにご飯作って待っててあげよう。
心配かけちゃったから、もう大丈夫って、謝らなきゃ。
だから、動け動け、私の足。
「なにしてんの…」
「…っ!!」
突然止まった雨。
聞こえた声。
心が、ドクンと波打った。

