----------------------- 「行くか?ヒロコ」 「え?あ…うん」 午前の授業も終わり、 いつものように中村くんが声をかける。 食堂へ向かう廊下をスタスタ歩く彼の背中を見つめ、 追いかけながら、 ふと由美子の言葉を思い出す。 気にして何気に周りを見ると。 やっぱり、 相変わらず、 確かに、 注目されてるような。 女子生徒から。 そういうのって中村くんは気付いてないのかな? それとももうわかってて。 でも黙ってるのかな?