「そう?ありがとう」 隣から聞こえた小さな声。 「ひえええええ!!中村くんっ!」 一斉にみんながこっちを向く。 しまった! 今、授業中! 「授業中ですよ?」 私の方を見て呆れ顔で言う。 「あのっ! スミマセン、スミマセン!」 「じゃあ、続き、読んで?」 え? 続き? どこ? ぼんやり中村くんに見惚れてどこから読めばいいかわからない。 「………」 うわ、なんかカッコワル。 中村くんにいっつもこんな醜態を晒してる気がする。 いや、いや。 気がするんじゃなくていっつもでしょ?