中村くんが先生に当てられて教科書を読んでいる。 キレイな発音でスラスラと。 コロコロ転がって跳ねるスーパーボールみたく。 整った横顔。 完璧すぎるよね。 もしさっき、 私が寂しいって答えたら彼はどうしたかな。 もしさっき、 言葉を止めないで最後まで…。 とか、してもね、 まあしゃあないってことだ。 「…はい、よろしい。 VERY GOOD!」 エラソーな先生…。 先生の発音のほうがずっと下手くそじゃん。 中村くんのほうが上手いのに。