ケイも父親の違う兄のユウも、小さい頃の江梨と同じで不思議な力を持っている。

口にしなくても、互いの気持ちを無意識におんなじ事を思い浮かべる。

江梨が心で歌を歌っていても、すぐケイが同じ歌を歌う。

江梨はケイがもしも命を落としたら、自分もすぐに後を追い一緒に焼いて欲しいと思っている。

そしたらケイが先日同じ事を言った。

「お母さんが死んだら、僕もすぐに死んで一緒に焼いて貰いたい。

お母さんが死ぬ直前に僕を殺してね」

江梨はびっくりした。

不思議でたまらなかった。

でもユウも小さい時、江梨が口にしないように気をつけていた感情を、その時その瞬間思っている言葉のままを無邪気に喋ったりして、ドキッとさせられていたから受け入れられたけれど。