「はい……今日から、お世話になります……」



あたしは、座っていたソファから立ちあがり、声の主に向かって深々と頭を下げた。



今、あたしの目の前にいるのは、



聖麗舞学園の学園長……。




グレーのパンツスーツの上下を着こなした、スレンダーな女性。




後れ毛ひとつない、後ろで綺麗にまとめられた髪から、潔癖っぽい印象を受ける。



そして、少しつり上がった派手な金縁の眼鏡をかけていて、見た目はとっても怖そう……。



年齢は、50歳前後といったところかな…。







「紅玉さんの姪御さんということなので、今回は異例の編入です。

そのことを肝に命じ、学園内では決して初日から目立つことなく、慎みのある行動をするように」



「はい…わかりました」