カードから顔を上げた終聖がなんだか
こっちに近づいてきてませんか?
走ってきたかと思ったらテントの中のあたしの目の前
えええ
「羽衣子、行くぞ」
「なな、っ…わっ!」
フワッと持ち上げられたかと思ったらお姫様だっこの形
ななななな!!?
「ちょっ、終聖!?」
「いいから黙ってろ」
「――――!!?」
あたしをお姫様だっこしたままゴールテープ目掛けて全力疾走
『おぉ早い!ゴール!!1位またしても久賀終聖だ!D組強い!』
バターン
あたしを地面に座らせて終聖が倒れた
「はぁ、はぁ…」
かなりきつそう
「大丈夫…?」
「おーさすがにきちぃな」
そりゃあ出っぱなしなんだからさすがの終聖もきついよね
『では1位の久賀くんから借り物の答え合わせをしましょうっ』
いつの間にやら競技は進んで、答え合わせの時間
カードの中の借り物と借りてきた物があっているかを確かめるんだ
……この時間、いる?
『では久賀くん。カードにはなんて書いてあったのかな?』
レポーターらしき人が終聖にマイクを近づける
それはあたしも気になる
連れてこられたはいいけど、なんでかはまだ知らない
もしかして身長の低い女の子とか?
それじゃあちょっとショックかも

