ハンドパワー

とは言っても、
男子は男子、女子は女子で帰るけどね。


｢温秘、今日は楽しかった？｣


｢もう本当に楽しかった。　　ありがとうね｣


滅多に楽しまないため、蘭が率直に訊いてくる。


｢うんうん。　　普段では見られない、温秘が見れて良かったよ｣


｢確かに私も、滅多に見せない一面を出したよ｣


｢貴重だぁ〜｣


珍しがっている蘭だが、心の中では恥ずかしがっているのだ。


私はそんな感情を剥き出しにする人じゃないから。


｢じゃあまた明日ね、　学校で｣


｢うん、バイバイ｣


蘭からの挨拶により、曲がり道で別れる。