しかし渡辺貴雄は、喋り出さない。 ―――その時。 北郷勇人がやって来た。 「ずいぶん荒れてるな」 少し口角をあげて私に言った。 しかし私は勇人の言うことに耳を傾けない。 「実は春くんの両親を死に至らしめたのも、貴雄なんだ」 !! 顔を下げていた私は、渡辺さんの言葉を聞いて瞬時に顔を上げた。 「どういうことなんですか? 俺の両親は交通事故で… じゃないんですか?」