ハンドパワー


「え?

今温秘が… 春って…

どうして俺を、しゅんって?」


「私、この前言えなかったけど、
私これから、ハルの名前通り、しゅんって呼ぶから。

もう季節に流されない。

ちゃんと名前で呼ぶから」


本当は前から本名で呼ぶことを言いたかった。

でも言えなかった。

色々と思いが沸き上がって。

でもこれを機に、言うことができた。


何となく感じる、達成感。

「そっか」


―部屋―

あれから数十分して、私は部屋に戻った。

思い出そうになったことを、必死に我慢して春に接していた。

あの大変な時に、私情を持ち込みたくなかった。