ハンドパワー


みるみるみなぎる神秘の力。


その力を込めてドアを叩く。


バキッ


見事にドアは破壊された。


その音と共に、野次馬の方から歓声が上がった。


そして神秘の力は徐々に消えていった。


「大丈夫?
もう心配しないで。 お母さんの所に戻ろう?」


真っ暗だった倉庫の真ん中にいる幼児に、話しかけに行く。


「うん」


幼児が返事をすると、一緒に倉庫から出た。


「おかあさ〜ん!」


母親の姿を見た幼児は、すぐさま駆け寄った。


見事その親子は幸せを取り戻した。