ハンドパワー


「ふざけんじゃないよ!
いくら過去を知ってるからって言ってね、そんなでたらめ言わないでよ!」

私はベッドと接している壁のところに、北郷勇人をあてつけた。


「でたらめじゃねぇ!
大体おまえがいけねぇんだよ!

忘れてんだからな!」

「だから思い出そうと頑張ってるんじゃない!
それなのに邪魔してるのは誰?

あんたでしょ!!」


「ふっ
いい加減さ、俺のことを名前で呼んでくれよ」

「なんで?」

「いいじゃんか。
他のヤツは名前で呼んでんだろう?」

「わかったわよ!
その代わり、あんたもね」

「へいへい」

話がこれで終わってしまった。