ハンドパワー


「おまえに言われたくねぇんだよ。

だったらおまえが今してることだって、同じことじゃねぇか」


私は神秘の力が消えるまで、北郷勇人を殴り続けた。


「何で私をここに呼んだの?」

「おまえが俺の素性をばらそうとしたからだよ」


「最低! 人の話、盗み聞きしてたのね!」

「まぁ、面白いものも見れたし」

よくこの状況で上機嫌になれるな、コイツは。


「面白いもの?」

「おまえが男と抱きついてるとはな…」

「どういう意味?」

「べつにぃ〜」

やっぱり見られたんだ…
あの光景を…