ハンドパワー


「ばらせば。
もういいよ。  私の過去をさらけ出して」

「ちぇ、面白くないな」

やっぱりコイツ、私の過去で遊んでたんだ。


許せない…


「あ゛ーーーー」

「なんだ?」


むかつくっ。

だから私は右手をかざし、左手の人差し指で右手を縁取った。


力の調整なんてしない。

ただ北郷勇人を傷つける。


ボコッ ガンッ…

「なにすんだよ!」

力の限り殴る。


「なにすんだよ!は、こっちの台詞だよ。
人の弱味を弄んで。

本当、何考えてんの?!
人間として最低なことだよ!」