ハンドパワー


ああ。

殺されるっていうのに、涙が出てこない。

どうして?
それに恐怖も感じられない。

「なにか言えよ!

言えねぇよな!
この状況で」


「さっ…ん…の……たい…るよ」

「は?」

「んんっ!」

一瞬相手が力を弱めた際に、太ももを蹴った。


足は全然力が入らないから、あまり効果はないが、一時怯む。

「てめぇ!」

「殺人の疑いで逮捕されるよ」


私は酸素をたくさん取り込んで、言いつけた。

そして手に力を込め、戦闘態勢に入った。

「ふっ
いいじゃねぇか。

どっちがヤラレルかやってみようじゃないか」