ハンドパワー


やっぱり私は、あの時から
必要とされてなかったんだ。

私なんて生まれてくるんじゃなかった。

「温秘ちゃん、どうしたの?」


気がつけば、新くんもベッドから降りて、数歩歩けば私の近くまでこられるところにいた。

「ゴメン、寒くて起こしちゃった?
今から窓閉めるから」


右手で涙を拭い、左手で窓を閉めた。

「また泣いてたの?
どうしたの?  大丈夫?

そして抱き寄せてくれる新くん。