ハンドパワー


「やっぱりすごいよね。  温秘は」


トイレから出てきた蘭は、ハンカチで手を拭きながら、私に感心していた。


「そう?

でもまだ私、力の調節が今一できないから、危険なのよ」


「まぁいつかは調節できるようになるはずだから、
頑張ってね」


やっぱり蘭は私のことを理解してくれてる。


1つも嫌なことを言ってこないから。



「うん」


そして、帰宅。


「お帰り」

「うん」


合田さんとの挨拶。


「うんじゃなくて、ただいまだろ?」


合田さんに引き留められる。


たまにこういうこと言われる。