ハンドパワー


[温秘は何も悪いことしてないから]

「わかったよ  じゃあ離れて」

「うん」


新くんが離れるのを確認した私は、早速力を込めてドアが開くかを試みた。

ガタガタ…


開かない
地震の威力は恐ろしい。


ガタッ

[あつぃちゃんのバカ!]

「はぁぁ」


いきなりあの事を思い出して、力を込めるのをやめる。

「どうしたんだよ?」

「私にはもう、出来ない」

「何で諦めるんだよ?」