ハンドパワー


「温秘、落ち着け」

「いや!  近寄んないで!」


自分で取り乱してるのに気づいたのは、合田さんになだめられようとしたときだった。


「出ていって!」

「え?」


「今すぐ私の部屋から出ていってよ!」


今までにない感情。

久しぶりに自分がいる悲しみを味わった。


しかもまた関係ない人を巻き込んだ。

落ち着くために外に出ることにした。