「ただいま」 ドアを開けて中に入ると、 透を抱えた藍佳がひょっこり部屋から顔をだして笑顔で 「おかえり」 と言われるのが日課になった。 「あ、ごはんできてるよ」 「あぁ」 「ちょっと待っててね」 そう言ってまた部屋に消える。 最近、藍佳は透に付きっきり。 なんだか、もやもやする。 父親として、こんなのはいけないんだろうけど。