あたしは、お店から出て適当に歩く。 夕方になった今は 暑い昼間とは違ってちょうどいい。 あまり、夏は好きじゃないけど夕方の夏は好き。 「君は藍佳ちゃん?」 声のする方を見ると、 道路の脇に止まっている黒い車から 三枝さんがこっちに手を振っていた。