「本部長、私には…「さっきも言ったが、決定事項だ」
「……」
「それから、御影京夜はかなり我が強いらしい」
本部長はそう告げると、先ほどから手にしていたファイルを差し出した。
「今までのやり取りが記されている。後で見ておくように…」
差し出されたファイルを仕方なく受け取った。
「君の事は御影グループの社長と社長夫人のみ知っている」
「えっ?」
「実は社長夫人が私の妻の親友でね。私も古い付き合いになる」
「えぇ!?」
「だから極秘に依頼されて困っていた所なんだよ」
「……」
「ちなみに、優成も古くからの知り合いだが…」
「えっ?!初めて聞きました」
「まぁ、そんな事もあって急なんだが…」
「……」
「任務は今日の午後からで頼むよ」
「えぇっ!?」
「今日はこれから御影の社長夫人が君を迎えに来る事になっている」
「はい?」
「男装だと色々物入りだろう。必要な物は全て揃えてくれるらしい」
もう……返事する気力も無くなって来た。



