「ん、立てるか?」

「あっ……はい、多分……」


差し出してくれた彼の手を掴んでゆっくりと立ち上がる。

足の痺れはほぼ無くなっていた。



そんな私を直視して、


「松波希和」

「はい」

「本日を以て、御影京夜の護衛兼補佐役、それと身の回りの世話役の任を命ずる」

「はい!!24時間全力でお仕えします!!」

「フッ、ヨロシクな、…………希和」

「はいっ!!………キャッ!!////」


彼から握手を求められ、

迷う事無くその手を掴んだ。


すると、彼は私の手を手繰り寄せ………。



彼の鼓動が聞こえて来る。

私と同じく、とても速い。

そんな些細な事が嬉しくて、頬が緩み出す。


すると、


「仕事が忙しくて構ってやれないかもしれないが、いつでもどこでも俺の傍にいろ」

「………はい」

「……………24時間だぞ?」

「はい!!勿論です!!」

「じゃあ、俺は生涯お前を雇う事にする」

「ふぇっ?!」