「早く放させねぇとマジでキレるぞ?」

「えっ?……あっ、はい!!す、すみません!!」



私はパッと手足を放し、

すぐさまベッドの上に正座した。



彼はゆっくり起き上がり、

首、肩、腕、腰、上半身、下半身…

ありとあらゆる関節を捻りながら



「お前、昨日の事覚えてねぇだろ」

「へ?」

「俺を襲うなんていい度胸してんな」

「おおおお、おっ、襲ったー?!」

「フッ…マジで覚えて無さそうだな」

「ホントに私が京夜様を襲ったんですか?!」

「あぁ……俺、マジでビビった」

「………」



お父さん、お母さん。

希和はふしだらな娘のようです。

お酒で酔っていたとは言え、

知らぬ間に護衛すべき相手を…。


懺悔するかのように両手を合わせると、



「しかも、俺……初めて落ちるかと思った」

「……へ?」



落ちる……おちる……オチル?

それはどういう事でしょうか?