「もしかして………」
「………はい?」
「その、………お心を差し上げたという人は………男性ですか?」
「へ?………………あっ!!」
もしかして、彼女はアノ事を言っているのか?
俺は彼女(希和)に男装させて偽装していた件を。
女性撃退法と称してしていた事が、
今頃になって発揮されるとは……思ってもみなかった。
フッ、今になっても尚、俺は彼女に守られている。
この状況下で逆ギレされてもおかしくない。
普通の女なら、相手は誰だと突き止めたい衝動に駆られるだろう。
だが、彼女の脳内は既に『俺は男好き』と位置付けられ、
だからこそ、俺の発言にも
半ば呆れモードで聞いているのかもしれない。
俺からこの縁談を断る理由は無い。
彼女が断りさえしなければ、晴れて俺らは夫婦だ。
そんな事を考えていると、
「私が……」
「…………はい」
「この結婚を我慢して受け入れたとして、私に何の利益がありますか?」
彼女は真っ直ぐ俺を見据えた。



