オレ様専務を24時間 護衛する



先週の日曜日、

俺は確かに母親に優しい表情を見せたのかもしれない。


それはきっと彼女の事を話している時で、

胸の奥から溢れ出す感情が無意識にそうさせていたのかもしれない。



けれど、今更どうこう出来る問題でもないし、

ましてや、考え自体を変えるつもりも無い。



「母さん」

「ん?」

「………期待に応えれなくてごめん」

「…………」

「けど、考えを変えるつもりは無いから」

「…………分かったわ。もう、何も言わないから」

「………ごめん」



悲しませる事ほど、親不孝な事は無い。

内容がどんなのであれ、今俺は親不孝をしている。

解っているが、どうしようもないんだ。


『ホント、母さん、ごめんな』


俺は心の中でひたすら謝っていた。




次から次へと仕事に追われ、

珈琲をゆっくりと味わう事も出来ず、

年末年始に向け、ますます忙しさに拍車がかかる。


俺は無我夢中で仕事に没頭した。

今抱いている感情も想い出にしたくて………。







―――――翌日。

午前中にある程度仕事を片付け、

一旦自宅に戻った俺は

仕事用からプライベート用のスーツに着替えた。



そして、結婚相手が待つ………料亭『風月』へ向かった。