今まで何度聞いても教えて貰えなかった事件の真相。

こうして今、聞く機会が訪れた。

何だか少し複雑な気分だ。



「当時、唯一相談出来る人が1人だけいてね、その人がSP(警視庁警備部警護課で、要人警護任務に専従する警察官の総称)という事もあって、私達の力になって貰ったの」

「………それって、引き渡しを……その人に?」

「そう。………その人が希和さんのお父様、松波優成さんよ」

「ッ?!」


SPと言えば、精鋭部隊のような秀でている人だ。

そんな人がみかの誘拐事件に協力してくれていただなんて。


「お金って無いと困るけど、あり過ぎても困るものよ」

「………」

「みかちゃんの誘拐事件を機に、色々考えさせられてね……」

「………」

「男の子だからって誘拐されないとは言い切れないし、私だって拉致される恐れもあるでしょ?」

「………」

「だからね、少しでも不安を無くす為に色々考えた結果がこれなの」



解りそうで解らない。

俺の将来を考えての事だとは理解できるが、

どうして、それにあの子が関係するんだ?


俺が首を傾げていると、