「希和さんはね、京夜が小学校に入学する頃から心に決めていた人よ」

「はっ?!」


おいおいおいおいっ!!

いきなり爆弾発言からスタートかよッ!!


小学校入学って……6~7歳頃?


ちょっと待て。

俺があの子に初めて会ったのは……確か9歳だった筈。


えっ?

って事は、初めて会った時には……??


あまりにも衝撃的な言葉に唖然とする俺。

そんな俺を愉しむように母親は話を続けた。


「京夜、覚えてるかしら?みかちゃんが誘拐された時の事」

「……あぁ、何となくだけど、覚えてる。確か、………どこかの山奥の小屋に置き去りにされてたって」

「そうそう、その誘拐事件。うち(御影)の親戚というのもあって、身代金の要求がうちに来たのよ」

「は?」

「犯人から、警察に知らせたら殺すって言われて……」

「で?……どうしたんだよ」

「幸いにもうちも蓮条家もお金には困って無かったから、お金さえ渡せばみかちゃんを解放して貰えるって考えてね」

「フッ、……短絡的だな」

「でも、命には代えられないでしょ?」

「で、金を払ったって訳?」

「うん。でもね、引き渡しもアレコレ指示が多くて、素人じゃとても対応しきれないと判断してね」

「………で?」