少し間を置いた松波は、


「先日話したと思いますが、警備会社の上司から特殊任務という名目で指令を賜ったので」

「…………なるほどな」



松波はあくまでも『仕事』だと思っているみたいだが、

―――――俺は確信した。



これは明らかに……―――……

双方の両親に仕組まれた罠のようなモノだ。



詳しい事は、明日親に聞くとして……。

今日のところはもう寝た方が良さそうだ。



視界に入った壁掛け時計が深夜2時を指そうとしている。



「松波」

「はい」

「一先ず、もう寝ろ」

「へ?」

「時間が時間だ」


時計に視線を移した松波は納得した様子で。


「……そうですね」

「話はまた、お前が帰って来てからにしよう」

「………はい」

「じゃあ、おやすみ」

「………おやすみなさッ?!………えっ?あっ、あの……?」



俺が自室へ戻ろうとすると、

松波はいつもと同じように俺に会釈した。


俺はそんな松波の………―――……