「先日……」
「………先日がどうした」
「………京夜様がおっしゃいました」
「俺が?………何て」
「………空港での件は二度と話すな……と」
松波が言うように、確かにそう言ったが
この状況で口を噤んでいても埒が明かないだろ。
「状況が変わった」
「へ?」
「いいから、説明しろ」
「え?…………あっ、はい」
松波はギュッと握りしめたままの手を広げ、
俺の目の前にスッと差し出した。
そして、俺の瞳をじっと見つめたまま立ち上がり、
「理由が聞きたいのは、私の方です!」
「はぁ?」
突然、逆ギレのように言い返して来た。
「京夜様はこれをどこで手に入れたのですか?」
「はっ?………手に入れたって、何の話だ?」
意味不明な事を言う松波。
手に入れた?………俺が??
いや、違うだろ。
あの女が手にしていたのを投げつけて
それをお前が拾って来たんだろ?
「おい、ちょっと待て。一体、何の話をしてるんだ?」
「だから、これをどこで手に入れたのか、聞いてるんです」
「………」
ダメだ。
俺にはコイツの言っている事がさっぱり解らない。



