松波優成……私の父親。

本部長と親友だなんて初耳だよ!!

入社して3年。

なんで今さらそんな事を?

私が不思議そうな表情をしていると、


「実は君に折り入って頼みがあってな…」

「……はい」


本部長は言い難そうに顔を歪めた。


「実は、ある会社の重役の護衛兼補佐を依頼された」

「……」


重役の護衛?

何故、そんな話を私に??

思わず生唾を呑み込む。


「その任務を君に任せたい」

「はいっ!?」


………私に!!??

いやいや……私、まだ入社して3年ですよ?

それに入社してデスクワークオンリーですし。

まぁ、何時如何なる時の場合を想定して、

日頃から稽古は欠かさずしてますが。



「あの……何故、私なのですか?」

「あっ、それは……機密事項に絡むんだが…」

「機密事項?」

「そうだ。それもあって、君の父親の許可も得ている」

「はっ!?」

「先日、優成とこの件に関して話はつけたんでな…」


今朝だって何も言って無かったのに…。